弘前スイーツ★マタニの洋菓子

弘前では有名らしい？パンと洋菓子のお店マタニ。

有名と言っても、昨今の人気パティシエが開いたこじゃれたお店の類ではなく、
昭和の時代からある、昔ながらのパン屋さん、あるいはケーキ屋さんと言った風情のお店です。

実は今回の弘前旅行、このマタニさんに行くのが目的だった、と言っても過言ではありません。





料理研究家の長尾智子さんの著作「あさ・ひる・ばん・茶」の中に、
このマタニさんの名前が出てくるんですが、長尾さんがこちらのドーナツがお好きだとかで。

友人が青森に嫁いで以来、青森ネタには妙にアンテナが働くようになったんですが、
その一環で、このエピソードにも「ほお。」と思いまして。

ドーナツがとてつもなく好物であると言うわけではありませんが、
スイーツネタは全般日頃から最大関心事の一つでありますので、
次に弘前に行くときにはぜひとも！とは思っていたんですよね。

また、長尾さんのお話からすると、
昔ながらのお店のような感じであることも興味を惹かれた理由の一つです。

昭和生まれとは言えども、平成の世が始まり、かれこれ20年以上。
昭和の時代を生きた年月よりも、平成の時代を生きた年月の方が倍以上になります。

しかしながら、やはり三つ子の魂と言うべきなのか、
自分は「昭和の人間」と言う意識の方が意外と強いですし、
昭和の時代への愛着が、普段はあまり意識する事が無くとも、奥底にはあるようなんですね。

そして、そんな昭和な自我と言うべきものが、私の場合、
ちょっと昭和レトロなお店への関心、と言う形で時々姿を表すようです。

例えば東京のお店で行くと、池袋のタカセさんとか、淡路町の近江屋洋菓子店とか、
ああいうお店、大好きだったりします。

お店を訪れると妙に落ち着くと言いますか、
少々気が利かなかったり、冴えない部分があったりしても、それもまたご愛嬌だ、なんて。

マタニさんもそういう類のお店に入るかな～・・・と思われるのですが、
ほんと、これからも現役で生き残っていただきたいですね。

ただ、昭和の生き残り組のお店は少々意識が化石化している部分もありますので、
お味の面ではちょっと心配なところもあります。

が、何しろ長尾さんのお墨付きなので、その点ではあまり心配なく訪れたのですが、
実際、なかなか美味しいもの＆美味しそうなもの揃いで、
入店した時も、「全部試してみたい！！」とかなり、浮き足立った状態になってしまいました。

実際に購入できたのはその中の数種類ですが、
まずは冒頭の写真、ガトーオノアです。



タルトの中にくるみが入ったお菓子ですが、
何て言うんでしょう・・・くるみの部分はちょっとヌガーっぽい感じと言うんでしょうか。

こういうお菓子、けっこう見かけますが、ちょっとくどく感じるものが多いような気がします。

その点こちらのものは、タルト生地の部分とくるみの部分の量的バランスが良いのか、
しつこさが全く無く、主にはタルトのさくさくを楽しみながら、
エッセンス的に中にくるみが入っていると言った印象で、意外とあっさりといただけます。

そして、長尾さんの本の中にも出てきたドーナツ。



素朴な魅力があるドーナツだな、と感じました。

色々好みはあるんでしょうが、おうちで手作りした、と言うような素朴さがあります。

とは言え、ガトーオノアにも通じることですが、
とても上品な印象がありまして、
丁寧に作っているんだろうな～と言う事が想像できる味わいなんですよね。

その他、シンプルなクッキーも買ったのですが、
そちらのお味見は未だこれからなので、機会があればご報告したいと思います。

最近はショーケースを前に思わず見とれてしまうような、
美しい宝石のようなお菓子が多いですよね。

それはそれで魅力的だとは思うのですが、
日常の中でふと食べたくなるお菓子ではないような気がします。

マタニさんのお菓子は美味しそうではあるけれども一見地味ですし、
お店の佇まいもそこに並ぶお菓子も華やかさには欠けているかもしれません。

でも、多数の人が日常的に口にしたくなるのはマタニさんが作るようなお菓子の方で、
後になってしみじみと「あのお菓子は美味しかったな～」と思い出すのも、
そちらであるような気がします。

ともあれ、念願のドーナツがいただけて！（あ。滞在中にチーズケーキも試しました！）
マタニさんのお菓子は全種類制覇してみたくなるような魅力を感じます。

次に弘前を訪れるときには何を買おうかな～・・・などと、
予定もないのに（笑）今からわくわくしちゃいますね♪


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