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言葉の海を渡る★映画「舟を編む」 [映画の効用]


舟を編む 通常版 [DVD]

映画「舟を編む」DVDにて鑑賞。
2013年、日本映画。


舟を編む

原作はこちら。
2011年に発売された、三浦しをんさんの作品です。



1995年、玄武書房・辞書編集部。

ベテラン編集者・荒木は定年を間近に迎え、
辞書編集と言う独特の世界で後継を担える人材の獲得に頭を悩ませていた。

同じく辞書編集部に勤める、お調子者の編集者・西岡は、
大学院で言語学を専攻していたと言う、変わり者で営業部で持て余されていた、
馬締(まじめ)のことを恋人の麗美から耳にする。

荒木と西岡が馬締に会いに行き、荒木は馬締にこう尋ねた。

「“右”と言う言葉を説明できるかい?」

・・・荒木は自らの後継として馬締を迎え入れる。

辞書編集部では、「大渡海」(だいとかい)と言う新しい辞書を産み出す計画を温めていた。

見出し語24万語。新しい概念や言葉も積極的に掲載し、
今までにない「今を生きている人たちに向けた辞書」を目指す。

その監修を担う松本は編集部の人間に向けてこう語った。

「言葉の海。他人は辞書と言う船でその海を渡り、自分の気持ちを的確に表す言葉を探します。

誰かとつながりたくて広大な海を渡ろうとする人たち捧げる辞書。それが大渡海。」

この松本の言葉に奮起して、馬締は「大渡海」編集に身を投じていくが、、

辞書編集が題材の物語って・・・この上なく地味でありながら(笑)
でも、すごく斬新ですよね。

そして、この映画ののっけから、私、とてつもなくゾクゾク~っと来ちゃいました。

なんでしょうねえ・・・「言葉」ってエンターテイメントであり、
人の快感を刺激するんだと思います。

音楽や絵などと同じように。

それと同時に、人と人の繋ぐきわめて有効なツールでもある。

言葉を通して誰かと繋がれた、と実感できた時ほど、
幸福な瞬間ってなかなかありません。

言葉を意思伝達の手段にしている生き物って、たぶん人間だけですよね。

だから、言葉は人間のオリジナリティを最も表すものでもあります。

この物語でみんなの共通目的となる「大渡海」の、
「今を生きている人たちに向けた辞書」と言うコンセプトや松本の言葉には、
馬締くんじゃなくても、私だってぐぐっと来ちゃいましたもん。

(松本演じる)加藤剛さん、やっぱりいいですよね~
この方に言葉を語らせると、妙に胸に迫るものを感じます。

言葉と言うのはあくまでも人間のためのツールなので、
それを使う人間が変われば、言葉も当然変わる。

その変化は必ずしも望ましいものとは限らないかもしれない。

よく「この言葉は間違っている」と言う指摘がなされますが、
この映画の中にも出てくる、「れる」「られる」の用例などですよね。

確かに最初は間違いだったものでも、その間違いの方が人に受け入れられ、
いつの間にか定着してしまうことだってある。

言葉に敏感な人であれば、それは非常に「気持ちの悪い」ことだったりもしますけれど、
「今生きている人間のための言葉」であるとするならば、
否定ばかりもしていられないわけで。

「大渡海」では、「間違った使い方」と明示してでも、
そういった言葉も受け入れ紹介していく、そういう指針を通します。

この映画を観ていたら、改めて言葉の面白さや素敵さに突き動かされ、
何かふつふつと自分の中の欲求の泉から湧き出てくる存在を感じています。

ひゃあ~~~、どうしよう・・・ドキドキ。。

映画「舟を編む」公式ウェブサイトはこちらから



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