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お金の物語★「わたし出すわ」 [映画の効用]


わたし出すわ [DVD]

映画「わたし出すわ」DVDにて鑑賞。
2009年、日本映画。

何とも不思議なタイトルの映画ですよね、、

主人公、山吹摩耶は東京から突然故郷に帰り、
高校時代の友人たちに会うことを願う。

摩耶の帰郷と時を同じくして、
故郷の街で民家のポストに1キロの金塊が投じられるという事件が頻発していた。

摩耶の母親は意識を失った状態で、病院で手厚い看護を受けていた。
折を見て、母親を見舞う摩耶。

摩耶が最初に会えたのは、路面電車の乗務員を務める道上保だった。

彼はかつて世界中の路面電車を観に旅することを夢見ていたが、
結婚し仕事を持って日々日常生活を送る彼にとって、
それは遠い過去の夢になっていた。

そんな彼に、摩耶は、自分がそのためのお金を出してあげる、
と言う提案をし、後日彼の自宅には大金が送り付けられてきた。

以後、専業主婦をしているさくら、マラソンランナーの孝、
研究者の満、夫に先立たれて再びホステスに戻ったサキに次々と会って、
彼らの夢や欲しいもの、の為に、摩耶はお金を投じていく。

摩耶はどうしてそのような大金を持っているのか。
また、何故あえて他人のために大金をつぎ込んでいくのか。

摩耶自身は、家具も置かず、暖房も効いていないような、
古いマンションの一室に身を置くような生活を送っている。

大金を手にした友人たちは、そのことでどうなっていくのか。

そして、最後に摩耶の身に起こったことは・・・

この映画は、お金の本質、そして、
お金と人との関係を見事に描いた映画だと感じました。

主人公・摩耶を演じる、小雪さんの独特の雰囲気と、
映画全体に流れる、不思議な空気感。

「お金」が一般的に持たれているイメージは、ギラギラしたものではないかと思うのですが、
まさかお金をことを扱っているとは思えない、ちょっとファンタジックな印象の作品です。

お金は非常なパワーを持っているもの、
と考える人が多いのではないかという気がしていますが、、

お金自体は本当は善いものでも悪いものでもなく、
フラットな存在だと思います。

ただ、潜在的に大きな可能性を秘めている存在であるのは確かで、
持っている可能性の中には、善いものも悪いものもどうやらあるようです。

そして、それは、お金を手にする人にとって千変万化し、
どのような形にでも姿を変える、カメレオンのような存在であります。

本当はお金が姿を変えているのではなく、
それを手にした人の能力、心根の類がそれそのままに反映しているのにすぎません。

ですから、まるで鏡のような存在と言ってしまってもよいのかも。

「お金は魔物」と考える人にとっては魔物になるのだろうし、
「お金は強力な武器」と考える人にとっては、強力な武器になり得るのだろうと。

ただ、不思議なことに、お金と言うのはまるで意志を持っているかのように、
愛する人、仲良くしたい人を選ぶようです。

また、自分の存在を正しく理解し上手に使いこなしてくれる高いスキルを
求めてもいる、と言う特性もあるようです。

それに当てはまらない人が間違って手にしてしまうと、
大きな火傷をさせかねない、と言う、ちょっと凶暴な面をも持っているのですよね。

自分を愛し、正しく理解して、そして上手に活用してくれるご主人様には従順に従い、
自身の能力を最大限に発揮し、全身全霊で持って守ってくれる。

しかしながら、横暴で、時に自分を見下し時にへつらい、平等な関係を築けない主人には、
隙を狙って刃を向ける、賢くてとても役に立つし愛情も深いけれど、
あくまで対等で自分と同じだけの能力を要求する気難し屋さんではあるのですね。

そういう次第ですので、お金と良好な関係を築けている人と言うのは、
たぶん、世界中でほんの一握りなのです。

お金に見捨てられた人たちは、どうして自分のところには振り向いてくれないのかと憤慨したり、
自分ははじめからお金のことなんて好きではなかったんだと、うそぶいている人たちがたくさんいます。

そして、お金が自分と付き合う人に要求しているもう一つのことが、、

自分とその人だけの世界におさまらないこと、と言うことです。

つまり、自分のことを一度手にしても、
その人の囲い込みには乗らないのです。

お金は常に自由を欲していて、一度誰かの懐に飛び込んだように見えても、
次の瞬間には、違う人の懐に飛び込む準備をしているのです。

何たる浮気性!!

でも、それを許せる甲斐性のある人だけに、
お金は自分の身も心も委ねる存在なのです。

そうして、そういう人の元には、またいずれ帰ってゆきます。

お金には「帰巣本能がある」と言うことも、一つの大きな特性です。

ただし、時に「お金」と言う元の形ではなく、
全身整形手術をしたかのように、別人の姿で帰っていくこともしばしばです。

たまに「私のお金だ」と見抜けない人もいます。
そうすると、お金は哀しくなって、再び姿を消し、二度と戻ってこない場合さえあるのですが、、

整形手術なんかにごまかされないで、
「おかえり!!」と両手を広げて迎え入れてくれた人のことは、
また再び全身全霊の愛情を注ぐような存在です。

自らの懐からお金を色々な人の元へ旅立たせた摩耶は、
一度は全てのお金がいなくなり、ひとりぼっちになります。

そのことを悔しがりもせず淡々と手放した摩耶のもとには、
ある日突然、手放したはずのお金がどうやら戻ってきたようです。

そして、それは、お金のままの姿ではなく、
すっかり別の姿の形を変えていたようではありましたが、、

果たして摩耶のお金はどんな姿に形を変えていたでしょう?

ぜひ、この映画で、お金の物語を感じ取ってください。

映画「わたし出すわ」公式ウェブサイトはこちらから
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